4.事業承継の上手な進め方は?
  
           <3>後継者決定についての利害関係者の同意
  
事業承継を円滑に行うためには、「会社は誰のものか?」ということを考える必要があります。 
 すなわち、会社はオーナー社長一人で成り立っているのではなく、会社を取り巻く利害関係者との関係において成り立っています。 
 会社はオーナーの私有物ではなく、社会的なものであるという認識を十分に持つ必要があります。 
 会社の利害関係者は具体的には以下の人々(法人・行政機関も含めて)が考えられます。 
 
1.同族関係者 
2.従業員 
3.得意先 
4.仕入先 
5.外部株主 
6.金融機関、監督官庁 
 
 まだ、社会人としても未熟である二代目をいきなり営業部長に起用してしまい、従業員が大量に退職してしまった等、これらの利害関係者の存在を無視した事業承継は、何らかのトラブルが発生する可能性があります。 
 ですから、事業承継を行うにあたっては、オーナーの個人的考えを貫くのではなく、後継者がこれらの利害関係者から暖かく迎えられるようなお膳立てをする必要があります。 
 同族関係者、従業員、得意先及び仕入先については、会社を運営するにあたって直接的に係わってくる利害関係者ですので、特に注意が必要です。
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