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1.伸びる会社の条件とは?

<1>会社の数字を正確に知る

 敵を知り己を知れば百戦危うからず、といいます。御自分の会社の財政状態、経営成績は数字に最も良く表われています。この数字が語る会社の状態をいつも把握することは、経営者にとって最も基本的なことでしょう。
 数字は船にたとえるとまさに羅針盤です。経営者はこの羅針盤を常に見ていなければならないわけですが、同時に忘れてはならないのが、この羅針盤が常に正しい方向を示すようによくチェックしておくことです。すなわち、いつも数字が会社の正しい状態を示すようにしておかなければなりません。また、いくら正確な情報でも、適時に提供されなければ、これもまた意味がありません。よほど規模の小さな会社でない限り、月次の利益状況は、遅くとも翌月中旬ごろまでには把握する必要があるでしょう。ある程度以上の規模の会社では翌月1週間以内を目標とすべきです。
 一般に、会社は新しい事業年度開始時に当年度の予算を作成します。この予算は次の四つの目的のために作成されます。

(1) 本年度の投資、生産(仕入)、販売計画を立て、かつその通り実行すると目標通りの利益が確保できるかを確認する。すなわち利益の確保のため。

(2) 予算通り実行した場合に運転資金、設備資金、納税資金が足りるかどうかを確認する。すなわち資金繰りのため。

(3) 予想した通りの結果が得られなかったとき、予算が具体的な予測に基づいて作成されているならば、その原因がどの予測を見誤ったためかをすぐに把握できるはずです。原因がわかれば対策は比較的容易です。すぐに対策を立てて必要なら予算を修正することにより盛り返すチャンスを得ることも可能となるでしょう。すなわち変化の早期発見のためです。

(4) 経営者にとって未来を予測することは非常にむずかしいことです。しかし、立てた予算が予測通りにならない事態が生じたとき、その原因を分析すれば次回からはより正確な予測をできるようになるでしょう。すなわち、経営者の予測能力の向上のためです。
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